傷病手当金の手続き 退職後も2年以内なら、さかのぼって申請できるって知ってた?

もう退職している会社で4日以上連続して病気療養で休んだことがあったけれど、傷病手当金を請求しないまま退職ちゃった

大丈夫ですよ!

2年前以内に、4日以上の療養欠勤したときの傷病手当金は、現在退職しているかどうかに関係なく、今からでも申請できるんです。

このときのために納めてきた保険料。

あきらめずに手当金受給を目指しましょう!

実際にわたしの受給体験をもとにまとめた情報をお届けします。

まず手続きの流れをざっと頭に入れましょう。次に申請のときのポイントをご紹介します。最後に過去の傷病手当金を受給するために知っておくとお役に立つ情報もまとめてあります。

では、さっそく傷病手当金のキホンのおさらいからご一緒に始めていきましょう。

目次 ~ 気になるところからどうぞ ~

傷病手当金ってなぁに?

被保険者が業務外の病気やケガの治療のために仕事に就けず、給与が支払われないとき、一定の支給条件(次の項をご覧ください)を満たしている場合に支給される生活保障としての給付です。

元気になってまた仕事に戻れるまでの生活の保障金なんですね ^ ^

受給できる条件

支給条件

受給できるのは下記のすべての受給要件を満たしている場合です。

チェックしてみてくださいね!

  • 業務外の事由である病気やケガの療養のための休業であること(業務上・通勤途中事故を除く)
  • 療養のため仕事に就くことができないこと
  • 連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなかったこと(休業4日目から支給)
  • 休業した期間について給与の支払いがないこと(支給されていてもその額が傷病手当金より少ない場合はその差額を支給)

 

あなたは条件に該当してましたか?

該当していたけど、2年以内だったらすでに退職してても申請できるってどこにも書いてないじゃない?

って思いますよね。

ご安心ください! 健康保険法で以下のように規定されてます。

提出期限は2年以内

健康保険法(時効)第193条 第1項 より:

健康保険法(時効)第193条 第1項:

保険料その他この法律の規定による徴収金を徴収し、又はその還付を受ける権利及び保険給付を受ける権利は、2年を経過したときは、時効によって消滅する。

傷病手当金の場合、労務不能であった日の翌日から2年以内、が対象になるわけですが、

労務不能であった日ってわかりにくい言葉ですよね。

これは、病院に受診して医師から病気療養するように言われた日のこと。

【例】
2016年12月12日に病院でお医者さんからあなたは○○○炎ですと診断されて、だから勤め先を療養欠勤してくださいと指示された場合 ⇒ 2016年12月”13日”から丸2年目に当たる2018年12月12日が提出期限になります。

さて、ここまでの受給要件にあなたが該当してたら、これからご紹介する情報はきっとお役に立つはずです。

一緒に受給を目指しましょう!

条件に当てはまってたら、①いつ頃?、②支給額はいくら?、③書類作成に手数料がかかるのか?、気になるところ。次の章で一つずつ見ていきましょう。

いくら、いつ支給されるの?

① 傷病手当金の支給日

請求手続きを初めてから、だいたい3~4か月後になるのが通例のようですよ。

申請時にあなたが希望した金融機関口座に振り込んでもらえます。

お次は、気になる金額。試算の仕方は結構カンタンです。つぎに計算方法をまとめました。やってみてくださいね!

② 傷病手当金の算出方法

計算式は、傷病手当金=自分の標準報酬日額÷30×2/3 円。標準報酬月額支給対象日が分かればすぐできます。

手順はこちら! さっそく試算してみましょう。

Step1.日額を割り出して(A)⇒ Step2.支給対象の日数を調べて(B)⇒ Step3.A × B = 傷病手当金 です

詳しくは次をどうぞ ↓ !

Step 1.日額の出し方

日額は標準報酬月額を30日で割って3分の2を掛けた額です。標準報酬月額は当時勤めていた会社から教えてもらってくださいね。

Step2.支給対象の日数の出し方

支給対象の日数とは「労務不能であった日」の初日から3日間を除いて4日目から数えた休んだ日までの土日祝日を含む日数です。土日祝日も医師が傷病手当金請求書の中の意見書の欄で労務不能と認めていれば日数に含まれます。

Step3.傷病手当金支給額が割り出せます

計算式は 日額 × 支給対象の日数 = 傷病手当金支給額 です。

できましたか! 実例もつけたので参考にしてみてくださいね。

【例】

標準報酬月額が仮に20万円で、会社を病気で休んだ日が12月12日から21日まで土日祝日を4日含む10日間)だった場合:

日額 = 20万÷30×2/3 = 4444円

支給対象の日数 = 12日~14日の最初の3日を除き翌15日~21日

よって

受給額 = 日額 4444円 ×7日分 = 31,108円

 

 

次は、この金額を満額もらえるのか、手数料がどれだけかかるのかもチェック☆

③ 傷病手当金の手続き費用

ズバリ! 手数料は傷病手当金意見書交付料100点のみです。

意見書欄に医師に記載していただくときに、この「傷病手当金意見書交付料100点」が加算されます。3割負担の場合は300円ですよ。

2年前までの分の遡り申請の場合でも、書類の郵送費用傷病手当金意見書交付料以外には掛かりません。

Attention! 病院窓口で、それ以外の名目で支払いを求められたら手続きをいったん中断しましょう。病院窓口が間違って請求している確率が高いです。

そういう場合はまずは保険者(事業所の健康保険組合の担当者です)に「病院窓口でこんな請求を求められたのですが」と確認してからにしましょうね。健保の担当者が病院側に100点以外は発生しないことを伝えてくれるかもしれませんよ。

傷病手当金受給は健康保険料納付者の権利です

さて、いかがでしたかでしょうか?

手続きにはちょっと手間もかかりますし、振り込まれるまで3,4か月もかかる!かもしれないけれど、もらうのともらわないのとではだいぶ違いませんか?

このときのために納めてきた健康保険料。傷病手当金受給は健康保険料納付者の権利です!

ここはちょっと、がんばっちゃいましょう!

では次に早速、書類や書類に記入する情報を集めるところからご一緒にいってみましょう!

書類作成のために必要な作業

傷病手当金についての問い合わせ窓口

おやっ? さっそく、資料を揃えようとした矢先、過去のものなので手元に記録がない・・・初っ端なからつまずいてしまった・・・さてどうしましょう?!

大丈夫です! まず、当時の勤め先の総務課と健康保険組合の連絡先を探しましょう。総務課に電話すれば健康保険組合の連絡先も教えてもらえます。

POINT! ちなみに、傷病手当金請求手続きにかかわるのは勤め先の担当者(総務)と健康保険組合と受診した病院と自分の4者です。

手続の相関図

書類作成のために必要な個人情報

傷病手当金請求書を書くために集めておく情報は

  • 当時加入していた健康保険被保険者証に記載されている組合記号と番号、被保険者資格取得年月日
  • 当時就業していた企業名と所在地
  • 療養のために休んだ日にち

です。

これに、自分の療養状況や発病の年月日、原因、医師から受けた指示内容などを詳しく書き加えます

過去の保険証の記号番号なんてわからない、という場合は

当時の総務課か、健康保険組合に問い合わせれば教えてもらえます。

問い合わせたときに先方に、電話口で個人を特定できる情報をスラッと述べられたら記号番号を教えてくれる場合もあるのですが、企業によっては「個人情報だから電話ではお答えできません。本人に書面で送ります」と言われる場合もあるようですよ。まぁ、大事な個人情報ですから致しかたないですよね。

療養欠勤日もうろ覚え、という場合は

正確な日付を確認して手続きに無駄な手間がかかるのを避けるのが賢明です。

休んだ日にちもうろ覚えなら必ず元勤務先の総務課に確認して正確な日付を得ることをお勧めします。当事者の記憶と実際の日付がずれているとウソの申告になってしまいます。自分の記入欄と医師の記入欄が埋まってさっそく元勤務先に傷病手当金請求書を送ったはいいものの、「休んだ期間を間違って書いているから訂正印押して送り返してください」なんて送り返されてくると、手間が一つ増える上に、大幅な時間ロスになってしまいます。ご注意を・・・

手続き方法 5つのステップ

ではさっそく手続きを始めましょう。

手順はざっとこんな感じになります。

Step1.事業所(健康保険組合)から書類を取り寄せる

step2.申請書の被保険者の記入欄に記入する

Step3.医師に申請書の意見書の欄に記入してもらう

Step4.会社に申請書の事業主の欄に記入してもらう

Step5.傷病手当金が振り込まれる!

一つずつ詳しく見ていきましょう。

Step1 書類を取り寄せる

当時の勤め先の総務部あるいは健康保険組合から傷病手当金請求書の用紙を取り寄せます。

Step2 被保険者の記入欄に記入する

健康保険証の記号と番号、被保険者資格取得年月日は被保険者証に書かれています。名前、住所、事業所名、振り込んでほしい自分の金融機関口座などなど記入する項目が20弱あります。

被保険者欄を記入するときにどうかけばいいのか悩みやすい箇所の書き方と注意点については次の章をご覧くださいね。

Step3 医師の意見書欄に記入してもらう

すぐ当日書いてくださるか、1か月くらいかかるかなどは病院によって異なるようですよ。受け取り方も病院によってそれぞれ違うようです。
私の場合もお願いしたら翌日手渡してもらえた病院もあれば、出来上がったとお知らせをただくのに1か月かかった病院もありました。

Step4 事業主に記入してもらう

総務部に送付して支給額のもとになる金額を記入してもらいます。

総務部が金額を記入し終わると健康保険組合に直接送ってくれます。

Step5 傷病手当金が振り込まれる

健康保険組合に書類が届くと、保険者が医師の意見書欄と本人の記入欄の内容を見て支給するかどうかを判断して支給が決定すると「保険給付金支給決定通知」を本人に送ってくれます。

それから数日後に本人の金融機関口座に傷病手当金が振り込まれます。

わたしの体験では総務課に郵送してから支給されるまで1か月弱掛かりました。

 被保険者の記入欄で悩みやすい項目3つの書き方

さて、さっそく記入しよう、としたときにあれっ? ココ、なんて書けばいいの? って悩む箇所が出てくると思います。

「Step2 被保険者の記入欄に記入する」で悩みやすいところを3つピックアップしてみました。
参考にしてみてくださいね。

① ”第( )回目”という欄

書類のヘッダーの隅っこにある”第(  )回目”という箇所についてです。

なにこれ? 誰が書く欄なの? て思わず手が止まってしまったあなた。

一応、あなたが記入する欄なのです。ですが、わからなくても最終的に判断するのは保険者なので心配しなくて大丈夫ですよ。

  • 例えば喘息性気管支炎で休むのが初めての時は第1回目と書く。
  • 喘息性気管支炎で4日以上休んで一回傷病手当金をもらった後、完治して治療も終わって仕事をはじめた。しかし、また喘息性気管支炎で療養休暇を取って傷病手当金申請するときは第1回目と書く。
  • 第1回目のあと、仕事に戻ったけれどまだ同じ治療を継続していて、また同じ病気で傷病手当金を申請するときは第2回目と書く。

 

第2回目が1回目の支給開始日(労務不能で休み始めた最初の日から4日目の日)から1年半を超えていると不支給になります。2回目に当たるのか1回目に当たるのか決めるのは、保険者です。

保険者が医師の意見書と本人の記入欄の内容を見て最終判断します。第1回目か2回目か判断が付かない場合は第1回目と書いても大丈夫だそうです(健康保険組合の方に聞いた話)。

② 傷病名

当事者であっても正確な傷病名を知らなくても大丈夫です。

わたしの場合、ざっくりと”風邪”と書きました。でも、医師の意見書欄では主治医の先生が喘息性気管支炎と正確な診断の傷病名を書いてくださいました。そのように食い違いがあってもちゃんと受給できました。

③ 請求期間中の療養状況の欄

審査はこの書類だけが頼りなので、”医師には書けない(医師と共有していない)当人しか伝えられない情報”をしっかり書き込むのがポイント。療養状況をできるだけ具体的に伝えることが大切ですよ。

ちなみに、わたしの場合は、具合が悪くなって自宅で療養し始めたきっかけ・理由、背景、症状、受診先、処方された薬名、医師からの指示内容など順を追って、具体的な内容を書いて受給しました。

記入するときの注意点

”保険者”に伝わりやすいように具体的に書くのがポイント!

支給の可否を決めるのは医師でも事業者でもなく健康保険組合の保険者だからです。

この欄に書いたことと、医師の意見書欄に書いていただいた内容を保険者(健康保険組合の担当者)が総合的に見て支給対象に該当するかを判断します。

そのうえで保険者があなたの申請した支給日数と事業所が届け出た支給日数をチェックして、事業主の総務課の書いてきた給与の数字を乗算して支給額を決定してくれます。

さかのぼり申請の体験実例

12月12日 病院受診

内科を受診し医師から喘息性気管支炎で労務不能と診断され自宅療養の指示を受ける

12月12~21日の10日間 自宅療養

12月末  退職 

翌々1月 Step 1 書類取り寄せ

傷病手当金請求書の書類を当時の総務課から取り寄せる。

 Step 2 被保険者の記入欄に記入

3月30日 Step 3 医師が意見書欄に記入

当時受診の内科医に意見書欄記入を申請医師から意見書欄を記入いただいた傷病手当金請求書を受理。

4月   Step 4 事業主が記入

総務課に郵送し、「事業主が記入するところ」欄の記入を依頼。記入後、総務から健康保険組合に郵送される。

4月24日 健康保険組合が支給を決定して「保険給付金支給決定通知書」が私のもとに送られてくる

4月28日 Step 5 傷病手当金が振り込まれる

28日に 傷病手当金がわたしの金融機関口座に振り込まれました。

不明点は健康保険組合に確認!

傷病手当金を扱うのは健康保険組合です。手続きでわからないことがあったら、病院や総務課ではなく、健康保険組合に確認しましょう。

わたしの体験では、病院に意見書を受け取る際に窓口の方から手続き料としてに1,650円を請求されたのですが、健康保険組合の方が病院に被保険者に請求できるのは「傷病手当金意見書交付料100点」だけですよと病院に説明してくださいました。そして無事に100点分の金額に落ち着きました。病院のほうもさかのぼり申請はめったにないことなので正しいことはわからなかったようです。

おまけ:罹患情報の整理のおすすめ ポイント3つ

傷病手当金請求書に必要事項を記入する際に、わたしが日ごろからやっておいてよかったと思ったことをまとめました。

Point1 健康保険被保険者証のコピーを取っておく

傷病手当金請求書には記号と番号、被保険者資格取得年月日の情報が必要です。手元にない場合、個人情報なので情報取得に時間がかかることもあります。企業によっては健康保険被保険者証の内容を個人情報扱いのため、電話では本人にも教えてくれないところもあるからです。その場合は、総務部から本人の住所に書面に記号と番号などの情報を書いて郵送してもらうことになります。

離職直後、健康保険被保険者証を退職する会社の総務部に返送する前にコピーを取っておくようにするといいですね。

Point2 記録しておくと便利な罹患情報

罹患情報は傷病手当金請求書を書くときだけでなく、自分の健康管理にも役立ちます。また、医療機関受診時にも役立ちます。自分本人でも忘れてしまっている具体的な病歴をお医者さんから尋ねられた時にもスッと答えることができます。

  • ①罹患した病気の病名(おおざっぱでもOK)と症状(だるかったとか胸がゼイゼイしたとか主観的なものでOK)
  • ②罹患した年月日期間
  • ③受診した医療機関名担当医師
  • ④処方された
  • ⑤医師から治療に関して受けた指示内容
  • ⑥罹患した原因、きっかけ
  • ⑦当時の生活状況、背景(家事育児仕事で過労気味とかストレス過多とか)
  • ⑧勤め先を休んだり早退遅刻した年月日、時間

近頃は健康管理に便利なお薬手帳アプリもたくさんあるので、活用するのもおススメです。

Point3 一元化しておくと何かと便利 お薬手帳アプリの活用も◎

上記の①~⑧をお薬手帳やノートに一元化しておいたり、お薬手帳アプリにまとめておくと、自分の健康状態・病歴が一望できて健康管理にも役立ちます

ぐったり弱っているときでも、ササッと医療機関にも提示しやすいので、一か所にまとめて記録しておくのはおススメです。

わたしはお薬手帳に毎回書いています。身体の絵も手書きで描いてココが痛かった、とメモしたりしていて、何かと役立ってます。

手書きするなら持ち運びしやすいサイズのノートがおススメです。

さいごに

手続きのご参考になったでしょうか?

療養後すぐは、まだまだ病み上がりの身体。すぐに手続きするのはしんどいものですよね。2年までさかのぼって申請できるのは助かりますね。

傷病手当金は健康保険料納付者の権利ではあるものの、総務部や病院に過去の情報を引っ張り出してもらうのも申し訳ない気持ちもありました。

そして過去の情報を紐解くのは結構労力が要るものですよね。快復したらなるべく早く手続きするように、今後は気をつけたいと反省ーー。

しかし、なんといっても、病気しないのがイチバン!

日ごろからの罹患情報を記録しておくと、自分がどんな時、どんな季節や状況下で不調になりやすいのか傾向がわかってきたりして、前もって健康管理の対策も立てやすくなりますし、お医者さんにも相談しやすくなります。

これからは自分で病気を未然に防ぐ未病の時代。積極的に身体の自己管理にも気を配って、メンテナンスを心掛けて元気に仕事したり遊んだり毎日を楽しみたいですね!

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